人材管理を徹底している企業は、進化できません。
簡単に言えば、従業員の行動管理を徹底している企業です。労務管理だけでなく、従業員の行動の全てを管理、コントロールしようとする企業です。
当然のことながら、企業にとって労務管理は、当たり前のことであり、従業員の労働負荷の状況や健康管理の上では、徹底するのが義務でもあります
労務管理をしない企業は、本来、存在するべきではありません。
しかし、ここで言っている人材管理とは、過剰な従業員管理です。従業員の労働負荷の管理と言いながら、どこで誰と会って、何をしているのかを執拗に管理しようとする企業です。
よくあるのが、営業管理です。
営業職の従業員は、日中、外出しているため、どこで何をしているのか、分かりにくいものです。
もしかしたら、営業に行ってくると言いながら、喫茶店や本屋で、ひと時を過ごしているかもしれません。
会社としては、そういう時間をなくしたいと思うものです。管理できない時は、営業目標を厳し目に設定し、そういう時間を生み出せないようにしようと考えます。あるいは、営業報告を細かく提出させ、時間的な余白を見つけやすくしようと考えます。
さらに、最近ではスマホの位置情報を会社が管理できるようにし、滞在時間と場所を全て把握しようと考えます。
このやり方で、営業効率が高まることもあるでしょうが、進化するための機会は限りなく無くなっていくことでしょう。
営業職の従業員が、本屋で何か閃くかもしれません。
喫茶店でアイデアが降りてくるかもしれません。
進化の兆しは、行動と行動の隙間、余白から生まれているものなのです。
会社がどこまで管理するかは、それぞれの会社の考えでよいと思いますが、進化する風土を醸成していくためには、その程度を慎重に考えていくべきです。
ある企業では、休日の趣味、スポーツといった行動まで提出させていました。
さらに、外部の人と飲みに行く時にも、申請が必要というわけです。
会社として、企業情報の漏洩や多重就業の抑止の意味であり、従業員の個人情報はきちっと管理しているし、行動をコントロールしているわけではないと言います。本当に、従業員は、のびのびと行動できるのでしょうか。
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目次
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【第1章】 経営は進化しなければならない
【第2章】 経営力から見た3つの世代
【第3章】 進化するために備えるべき要素
【第4章】 第3世代に適合した姿に変わる方法
【第5章】 いつまでも進化し生き残る法則
・進化できない企業の6つのタイプ
・話題の企業にみる進化
・進化は3人で決める
・仕掛けるときは強みに投資、仕組む時は弱みに投資
・いまの手段を手放すことができるか
・生き残るための企業に必要な4つのシステム
・4日間で40億円を生み出すファンクショナル・アプローチ
・4日間で何を行っているのか
・進化に失敗しないための3つの禁則
・進化力を高める時に必要な3つの条件
・進化し続けるための4つの柱
『第三世代の経営力』(横田尚哉・著、致知出版社・刊)
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